東京オリンピック(五輪)を予定通り開くとかたくなに主張していた国際オリンピック委員会(IOC)が、延期を含めた検討にかじを切った。通常開催を確認した17日の理事会からわずか5日後の方針変換。仮に延期を選んでも、会場確保など課題は山積みで、いばらの道は続く。
22日午後9時過ぎ、東京オリンピック・パラリンピック大会組織委員会が入った東京湾岸地区のオフィスビルの一角に照明がともり、森喜朗・組織委会長が入った。国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長の要請で、緊急の電話会議が始まった。
「延期を議論しないわけにはいかない」。バッハ会長はここで初めて、日本側に大会延期について言及。4週間以内に延期を含む複数の「シナリオ」を検討することが決まった。「日本と考えを一致させたい」。そう語りかけるバッハ会長に、森会長は「いい機会を頂き、ありがとうございます」と礼を述べた。森会長はその後、安倍晋三首相や小池百合子都知事らに会議の結果を報告。バッハ会長は臨時理事会を経て、開催の延期を含めた検討を始めると表明した。
新型コロナウイルスの感染拡大を受けてもなお、森会長は「通常開催」を主張し続けていた。20日に宮城県で行われた聖火の式典では「何としても(開会式のある)7月24日から実現したい」と語っていた。
森会長はこれまで、組織内部でも延期論への言及を避けてきた。追加の費用負担の重さを分かっていたからだ。しかし組織委はもともと、IOCの手足となって動く組織だ。
さらに、22日のバッハ会長との電話会議の前には、安倍首相から2度電話を受けていた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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