医療過誤をめぐり損害賠償を求める訴訟を弁護士が時効の期限までに起こさなかったため、賠償請求ができなくなったとして、大阪府の40代男性が大阪弁護士会の男性弁護士に計約2億5千万円を求める訴えを大阪地裁に起こした。2日にあった第1回口頭弁論で、弁護士側は請求の棄却を求めたが、詳細な認否は留保した。
訴状によると、原告の男性は2006年7月、大阪府箕面市の市立病院で脳の手術を受け、大量出血を起こして植物状態になった。男性の弟が成年後見人に選任され、時効で賠償請求権が消滅する前の16年7月、箕面市に賠償を求める書面を送る「催告」の手続きをとったため、17年1月6日まで時効が延びた。
男性側はその後、この弁護士に提訴を依頼。だが、弁護士が提訴したのは同月26日で、地裁は時効が成立したとして訴えを棄却し、確定した。原告側は今回の訴訟で、市に求めるはずだった慰謝料や介護費、逸失利益などを弁護士に支払うよう求めている。(遠藤隆史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル