まもなく夏の登山シーズンを迎える富士山で、十分な休息をとらないまま徹夜で山頂をめざす「弾丸登山」の急増が懸念される中、新たな入山規制を求める地元と、山梨県の間で姿勢の違いが表面化している。ふもとの富士吉田市は夜間の登山道の通行制限を県に要望する一方、登山道を管理する県は通行規制には消極的だ。
山小屋への予約も殺到中
同市の堀内茂市長らは12日、県庁を訪れ、長田公副知事に要望書を提出した。夜間に入山者数が一定数を超え、弾丸登山の急増で危険を及ぼしかねない場合に、立ち入りを一時規制するなどの対策を求めた。
堀内市長は、新型コロナウイルスの5類移行に伴い、山小屋への予約が殺到していると指摘。「今夏の登山者数は過去に類を見ない状況になる」との見通しを伝えた。
その上で、弾丸登山が増えれば、高山病や低体温症、転倒などの危険が高まるとの懸念を示した。市が富士山八合目に設ける救護所の閉所日を当初予定の8月28日から9月10日に延長する方針も示し、不測の事態への危機感を強調した。
要望書には同市のほか、西桂、忍野、山中湖、鳴沢、富士河口湖の各町村と、地元の観光連盟、山小屋団体などが名を連ねた。
県は追加の規制策には触れず
長田副知事はこれらの指摘や…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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