2月中旬。町内会長を務める京都市内の50代男性は、次年度の会長と役員の引き受け手を探すため、引き受けてくれそうな家庭を個別にお願いして回った。
だが、すんなりとはいかなかった。
「役員をやるくらいなら、町内会をやめます」
「もう2回も会長をやったから」
最終的に何とか決まったが、「僕もやめますわ、と言いたくなった。役員決めが一番大変」とぼやく。
数年前から毎年度、何らかの役員をやってきた。前年度は体育委員で、今年度は初めて会長を引き受けた。来年度は再び体育委員をする。小学校区内運動会や町内会対抗グラウンドゴルフ大会など行事が多く、会長と並んで敬遠される。同じ人が何度も役員を引き受ける状態が続いており、負担が偏っていると感じる。
市の広報誌の配布は月2回。町内会非加入世帯にも配るよう市から依頼されている。寄付集めも年に何回かあり、そのたびに会合に出て説明を聞き、回覧で希望者を把握し、組長が集金して会長が預かる。
「役員になった人だけプライベートな時間が削られ、不公平感がある。共働きなので、両立も負担です」
やめられるものならやめたいと思ったことも。だが、「近所づきあいがないと、お年寄りの独居もわからず、いざというときに助けてあげられない」と踏みとどまっている。
一部の人たちに役員などの業務が集中することで増す不公平感。一方、活動のあり方に不透明さを感じ、遠ざかる人たちもいる。
関東地方の60代女性は、会…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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