「必要な措置怠った」 過労死した小学校教諭の夫、福岡市を提訴

 福岡市の市立小学校の教諭だった女性(当時53)がくも膜下出血で死亡したのは、校長が業務量などに注意を払わなかったことによる過労死だったとして、夫が市に約1290万円の損害賠償を求める訴訟を福岡地裁に起こした。11日に第1回口頭弁論があり、市側は請求の棄却を求めた。

 訴状などによると、女性は2013年4月、この小学校に異動。初年度から6年生のクラス担任と学年主任、生活指導主任になった。慣れない環境に加え、配布文書の作成などでストレスを抱えるようになり、8月には夫に「とにかくきつい」「やめたい」と打ち明けていた。

 女性は10月14日、自宅で倒れ、2日後に死亡。地方公務員災害補償基金の福岡市支部は21年2月、業務と死亡に因果関係があるとして、民間の労災にあたる公務災害と認定した。認定通知書によると、亡くなるまでの30日間の時間外労働は73時間、学校側が認めた自宅での作業時間は90時間に上った。

 夫側は「校長が担当の変更や人員配置の見直しをしていれば、くも膜下出血の発症を回避できた」と主張。こうした措置を講じず、校長は安全配慮義務に違反するとした。

 夫は「『無理するな』と言っ…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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