「忘れません」の言葉に込めた思い 発生時の町長が語る知床事故

 北海道・知床半島で起きた小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」の事故から、23日で1年半。事故の発生時から、地元・斜里町の町長として対応にあたった馬場隆さん(72)は今年4月で任期を終え、いまは一人の町民として事故と向き合う。改めて、事故への思いを聞いた。

 ――もうすぐ事故から1年半になります

 事故から1年の追悼式後、町長の立ち場を離れました。あれから半年になりますが、あっという間だった気がします。一町民に戻り、仕事は減ったはずなのに、不思議な感じです。

 ――事故との関わりは

 先日、相次いで「家族が楽しみにしていた風景を見たい」と知床を訪ねてくださったご家族をお迎えし、お話もしました。立ち場は変わりましたが、事故への思いは変わりません。

 ――観光客数は新型コロナ前の水準に戻っていません。事故のイメージの影響を心配する声もあります

 影響はあると思います。町長時代、対応に頭を悩ませたことの一つです。観光は地元を支える大切な産業。関わる人も多く、痛ましい事故の記憶が続くことを不安に思う人もいます。

 一方で、私たちは、事故でたくさんの命が失われたことを決して忘れてはいけない。相反する気持ちにどう折り合いを付けていくか。まだ自分の中に答えはありません。

 ――追悼式には「私たちは、忘れません。」の言葉が添えられました

 現地対応が少し落ち着いた頃…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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