「顔を出さない」などの念書を交わして取材を受けたのに守られず、詐欺師であるかのように放送されたとして、東京都内の40代男性がTBSテレビに2200万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(鈴木わかな裁判長)は24日、名誉毀損(きそん)を認め、同社に550万円の支払いを命じた。
判決によると、男性は2019年2月、運営していた私設私書箱が詐欺未遂事件に使われているとしてTBSのディレクターから取材を受け、顔は出さず、声も加工するという念書を交わした上で応じた。翌月に神奈川県警に逮捕されると、「『私書箱は悪用された』と話していたが、ほとんどがうそだった」とのナレーションと共に取材映像がそのまま放送された。男性は後に不起訴処分になった。
判決は、放送は男性を「犯人」と示す内容で、社会的評価を低下させたと判断。「約束にも反し、映像の公表のあり方として相当とはいえない」と述べた。
TBSは「主張が認められず残念。今後の対応を検討する」とのコメントを出した。(田中恭太)
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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