度重なるつきまといなどを取り締まる改正ストーカー規制法が8月26日に全面施行される。GPS機器を使って位置情報を得るなどの行為が新たに規制対象になる。被害者らからは「恋愛感情を満たす目的」でなければ、法の規制対象にならない点を見直すよう求める声が上がったが、今回の改正では見送られた。
「なぜ『恋愛感情』以外の目的によるつきまといは(ストーカー規制法の)対象になっていないのか」
改正案が審議された今年5月の衆院内閣委員会。牧島かれん氏(自民)が政府側の見解をただした。
政府側は「法制定当時、つきまといなどの行為は恋愛感情等に起因する状況が多かった」とし、国民への規制の範囲を最小限にすべきであるという点を考慮して「恋愛感情」の要件を設けた、と説明した。
恋愛感情の要件見直しは国会に出された政府案には盛り込まれておらず、改正は見送られた。ただ衆参両院の内閣委はその他の動機であっても「被害者に多大な恐怖をもたらすものもある」などとし、対象に加えることも検討するよう求める付帯決議を可決した。
「恋愛感情の要件はなくすべきだ」。ストーカー被害を受けた経験がある文筆家の内澤旬子(うちざわじゅんこ)さんはこう訴えてきた。
ストーカーを処罰する際、日本では加害者の「恋愛感情等」が要件とされていますが、国際的にはきわめて異例です。被害者から削除を求める意見が出ている一方、慎重論を唱える専門家もいます。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル