水俣病を教訓に水銀の規制強化を定めた「水銀に関する水俣条約」の発効から3年となるのを前に、熊本県水俣市の同条約推進ネットワーク(通称・MICOネット)が14日、市内で記者会見を開き、世界に向けた胎児性水俣病患者のビデオメッセージを発表した。
ビデオに出たのは胎児性水俣病患者の坂本しのぶさん(64)と松永幸一郎さん(57)の2人。「水俣の悲劇を繰り返さないで」「いま水銀を規制しないと、未来のたくさんの子どもたちが、私たちと同じような被害を受けてしまう」などと訴えている。母親のおなかの中で水銀の被害を受け、生まれた時から水俣病を背負った2人が約5分にわたって切実な思いを語った。
水俣条約は前文に「水俣病の教訓」をうたい、2013年に熊本市と水俣市で開かれた外交会議で採択された国際環境条約。人の健康と環境を守るため、水銀の産出や使用、廃棄まで広く規制をかけている。
条約は17年8月16日に発効…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル