「想像超える負け方」藤井聡太棋聖に脱帽、率直に明かす

 将棋の藤井聡太棋聖(17)がタイトル獲得の最年少記録を30年ぶりに更新した。偉業達成を果たした16日の第91期棋聖戦五番勝負第4局では、勝負どころで相手の渡辺明前棋聖(36)=棋王、王将=の読みを上回り、勝利につなげた。巧みな勝負術を備えた高校生タイトルホルダーは、まだ成長の途上にある。

 藤井は17日朝、大阪市福島区の関西将棋会館で記者会見に臨んだ。前日に大勝負を制したホームグラウンドで、快挙から一夜明けての喜びを語った。

 藤井は2016年、史上最年少の14歳2カ月でプロ入りした。公式戦29連勝などの快記録を作ってきたが、将棋界に八つあるタイトル戦の舞台を踏んだのは今回が初めてだった。「タイトルを目指してきたが、なかなか遠いものでもあった。棋士になってから成長できたのが、今回の結果につながったのかなと感じています」。1990年に屋敷伸之九段(48)が作ったタイトル獲得の最年少記録(18歳6カ月)を7カ月更新した。

 藤井は卓越した終盤力を武器に白星を積み重ねてきたが、デビュー当初は序中盤で相手にリードを許す場面もしばしば見られた。会見で「どの点が成長したと感じるか」と問われた藤井は「トップ棋士と対戦する機会を得て、課題を見つけることができたかなと思う。特に中盤の指し回しがデビュー当初と比べて成長できたかなと思います」と答えた。

 自身がそう語る進化は、第4局の内容にも如実に表れた。藤井の2勝1敗で迎えた大勝負で先手の渡辺が採用した作戦は、得意戦法の「矢倉」。途中までは、藤井が勝った第2局と似た進行だったが、渡辺が修正案を披露する。盤面全体で戦いが繰り広げられた中盤、インターネット中継の画面には、人工知能の「渡辺リード」という形勢判断が示される時間帯が続いた。

 だが、ここから藤井が本領を発…

980円で月300本まで2種類の会員記事を読めるシンプルコースのお申し込みはこちら

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

Japonologie:
Leave a Comment