2013年6月、アメリカで歴史的な判決が下された。
「同性カップルには、異性カップルと同じ婚姻の権利を与えられるべき」という判断を、連邦最高裁判所が示したのだ。
この裁判を起こしていたのは、カリフォルニア州に住む2組の同性カップルだ。
カリフォルニアでは2008年5月に、州最高裁が「同性結婚を認めないのは州の憲法違反」との判決を下し、同性カップルが結婚できるようになった。
しかし、実現からわずか半月後の同年11月に、結婚を男女間に限定する規定を盛り込んだ住民投票「提案8号(Proposition8)」 が、賛成多数で可決。同性カップルは再び結婚する権利を奪われてしまう。
提案8号が「憲法の定める法の下の平等に反する」として裁判を起こしたのが、冒頭の訴訟だった。連邦最高裁の判決の後、カリフォルニアでは再び同性カップルが結婚が可能になった。
この同性婚をめぐる歴史的な裁判を追ったドキュメンタリー映画がある。『ジェンダー・マリアージュ ~全米を揺るがした同性婚裁判~』だ。
映画では、原告カップルや弁護士たちが5年かけて提案8号を葬り去るまでの舞台裏が、鮮やかに描かれている。
同性婚実現を求める裁判は、日本でも始まっている。
2019年2月、平等な婚姻の権利を求めて、複数の同性カップルが札幌、東京、名古屋、大阪の4地裁で国を提訴。半年後には、九州でも訴訟が始まった。
提訴から1年2カ月たった今、裁判はどのように進んでいるのだろうか。
映画を観て提案8号をめぐるアメリカの裁判と日本の裁判の現状を比較しながら、同性婚について考えるオンラインイベントが、4月29日に開かれた。
映画を見て日本の原告が感じたこと
イベントには、現在日本の裁判で闘っている原告たちも参加した。
東京原告の小野春さんは、映画に出てくる女性カップルと同様にパートナーと子育てをしている。そのため、自分たちと重ねながら映画を観たと話す。
「映画では、随所に(原告カップルの)子ども達もうつっています。子ども達も一緒にこの裁判を闘ったんだなと思って、胸が熱くなる場面がとても多かったです」
同じく東京原告のただしさんは、映画を観て、訴訟は自分たちだけの問題ではないと感じたと話す。
「これは一人一人のLGBTQの人たちの人権に関わる問題。だから1日でも早く勝ち取らなければいけないなと思いました」
九州原告のこうぞうさんも、「映画の中で、同性婚で数百万人が救われるとコメントがあったが、それは日本でも同じ」と強く訴える。
「今生きている人たちだけじゃなく、過去に生きてきた人たち、これからも生まれてくる当事者を含めますと、何百万人といわずもっともっと多くの人たちを救うことになると思います」
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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