「感染者を差別しない」住職の宣言、集まる共感のハート

 「感染者を非難、差別しません。それらが感染や死の恐怖からきているとわかっているからです」――。永順寺(大津市中央1丁目)の住職、石川教夫さん(68)が、そのような「コロナ、私の『緊急』宣言」を寺前の掲示板に貼り出している。賛同者に赤ペンでハートマークを描いてもらうよう呼びかけ、共感が広がっている。

 新型コロナウイルスについての「宣言」は全部で6項目。「差別しません」以外では、「その人の身になって辛(つら)さや苦しみを理解するよう努めます」や「『うつさず、うつらず』の適切・冷静な努力をします。人との関わりも大事にします。人はつながりあってこそ生きていけると考えるからです」などと記されている。

 石川さんが宣言を掲示したのは2月。特に感染者や医療従事者らに対する差別の問題に心を痛めた。「自分のことを第一に考えてしまうのが我々だが、それを自覚することが大切。差別や排除は自分中心の考えで、そこに気づくことで変えられる」と訴える。

 寺は丸屋町商店街の一角にある。宣言を掲示するだけでなく、商店街を歩く人らに共感を広めたいと考え、ハートを描いてもらうことにした。苦しみや悩みに心を寄せる、という意味を込めてハートにしたという。宣言掲示直後から呼びかけ始め、既に100以上の「♡」「♥」が集まっている。(奥平真也)


Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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