ようやく、大型クルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号から乗客の下船が始まった。半月ほどの期間に新型コロナウイルスの感染確認は、600人を超す。船内の感染対策には国内外から疑念の目が向けられ、ウイルス検査が「陰性」で下船した人も、不安を拭いきれない状況だ。
到着数日間、マスクや手袋つけてない人も
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「危険性に応じて船内の区域を分けていたとは、聞いたことがない」
妻と2人でダイヤモンド・プリンセス号に乗船している男性(59)は、船内の状況についてそう話す。
横浜港に着いたのは3日夜。到着から数日間は、乗員や乗客のなかにマスクや手袋をつけていない人もいたという。
「横浜港に着いてしばらくは、乗員も乗客も感染のリスクについてそれほど深刻にとらえていない雰囲気があり、感染予防は不十分な点もあったと思う」
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5日に集団感染が判明し、船内に14日間とどまることになった。時間が経つにつれて体調不良の乗客が増えた。「医療体制が追いついていない状況だった」。10日ほど前に妻が発熱した際は、自ら歩いて船内の医務室を訪問。受付のいすに7~8人が待っていて、そのまま30分ほど診察を待ったという。また男性の部屋は窓がなく、数日に1度は、ほかの乗客とともにデッキに出ていた。「感染した人もしていない人も混在していたのではないか」と話す。
一方で、階段はフロアごとにアルコール消毒液やゴム手袋が置かれ、デッキの出入り口では乗員が手に消毒液を吹きかけてくれた。「感染対策のプロではないながらも、できる範囲の努力をしていたんだと思う」。男性はまだ、下船の日程は知らされていない。
自衛隊支給のマスク、洗って何日も使用
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不安を抱えるのは、乗員も同じだ。
「感染する覚悟で働いているからね」
関東地方の50代の女性は19日、船内で働く20代の娘から、そんなLINEのメッセージを受け取った。
娘の説明によると、横浜港に到…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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