「憧れが恨みに」検察指摘 京アニ公判、被告の半生からたどる背景

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日比野容子 西崎啓太朗 山本逸生

 戦後最悪とみられる犠牲者36人が出た京都アニメーション放火殺人事件から4年。京都地裁で5日に開かれた初公判で、検察側と弁護側は青葉真司被告(45)がなぜ犯行に及んだのか、主張を交わした。143日間の長い裁判が始まった。

 「事件当時はこうするしかないと思っていたが、こんなにたくさんの人が亡くなるとは思っていませんでした。やりすぎだったと思っています」

 午前10時半過ぎ、職員が押す車いすに座って入廷した青葉被告。裁判長に起訴内容についての考えを問われると、準備した書面を、小さな声で、だが、よどみなく読み上げた。青の長袖シャツに、濃紺のズボン。白いマスクで表情の全てはうかがえなかったが、肌にはやけどの痕が見えた。検察官4人、弁護人5人。89席の傍聴席は満席で、検察官席の後ろにはパイプいすが25脚置かれ、遺族らが着席した。

 事件がなぜ起きたのか。検察側は冒頭陳述で事件を「筋違いの恨みによる復讐(ふくしゅう)」と表現し、その経緯を被告の幼少期からたどっていった。

 両親の離婚や虐待の影響で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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