沖縄県名護市辺野古の基地建設をめぐり、埋め立ての土砂の調達先に沖縄本島南部が含まれていることについて、現地で遺骨収集を続けてきた市民団体「ガマフヤー」代表の具志堅隆松(たかまつ)さん(67)らが1日、反対を訴えるハンガーストライキを那覇市で始めた。
本島南部では、沖縄戦で米軍に追いつめられた日本兵や民間人らが犠牲になった。40年近く遺骨収集を続ける具志堅さんは、南部にはまだ調査が手つかずのガマ(自然洞窟)などがあり、このままでは遺骨が土砂と共に運び出されることを指摘。沖縄防衛局に土砂採取計画の断念を求めている。
具志堅さんは多くの人にこの問題を知ってもらおうと、人通りのある県庁前でのハンガーストライキを決意。「辺野古の基地建設に反対・賛成以前の問題で、本土の遺族にもこの戦没者への冒瀆(ぼうとく)を知ってほしい。遺骨が眠る土砂を軍事施設に使うことは許されない」と語った。
防衛省は昨年4月、辺野古の海で軟弱地盤が見つかったことを受け、設計変更申請書を県に提出。申請書では、県内で調達できる土砂のうち7割にあたる約3160万立方メートルを、本島南部の糸満市と八重瀬町内で調達可能としている。
具志堅さんや賛同して参加する有志は、体調を見ながらハンガーストライキを6日まで続ける予定だ。(国吉美香)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル