「承認欲求」は恥ずかしくない 評価にさらされる社会を生きるには

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聞き手・田中聡子

 自分がどう評価されているかが気になったり、他人に認められたいと思ったりすることには、そこはかとない後ろめたさが伴うのではないでしょうか。「他者から承認される」とは、人にとってどんな意味があるのか、哲学研究者の藤野寛さんに聞きました。

生きる上で必要な経験

 日本語の承認という言葉は、「承認欲求」などと否定的な意味合いで使われる傾向があります。しかし、他人からの評価を気にしたり、承認されたいと思ったりするのは当たり前のことで、「承認される」という経験は大切なものです。

 ドイツの哲学者アクセル・ホネットの思考に触れると、そのことがよく分かります。彼は承認を、大切な存在だと他者から認められる「愛」、差別されない「人権尊重」、「業績評価」の三つに分類しています。「承認」をこうして広い意味で捉えた時、「認める」「認められる」ことは生きる上で必要な経験だとよく分かります。

 「自分は自分」と、他人から…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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