米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古移設をめぐる県主催のシンポジウムが11日、オンラインであった。基調講演した地盤工学の専門家は、辺野古の海の軟弱地盤について、国の調査の不備や、7万本以上の砂杭を打ち込む改良工事の難しさを挙げ「技術的な検討課題が多く残されている」と指摘。工事を一時中止し、国と県が再協議するよう提案した。
「辺野古・大浦湾シンポジウム2021」と題して、環境保全を中心に科学的観点から課題を議論しようと、県が日本自然保護協会の協力を得て主催。地盤工学が専門の鎌尾彰司・日大准教授が講演したほか、世界自然遺産やサンゴ礁などの専門家6人が参加した。
辺野古北側の大浦湾一帯では絶滅危惧種262種類が見つかっていることや、いまも新種生物が発見されていることなども報告され、環境保全の重要性が議論された。米国の海洋生態調査の第一人者といわれるシルビア・アールさんは、軍事基地の必要性を踏まえたうえで「自然の生態系を究極の安全保障と考える見方が必要」とビデオメッセージで提起した。
約3時間弱のシンポ後、玉城…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル