「捕まって死刑になれば…」焼き肉店立てこもり、容疑の男が供述

 東京都渋谷区代々木1丁目の焼き肉店で8日夜、刃物のようなものを持った男が、男性店長(49)を人質に立てこもる事件があった。警視庁は9日未明、店内にいた荒木秋冬(あきと)容疑者(28)=住所・職業不詳=を逮捕監禁の疑いで現行犯逮捕し、発表した。捜査員が店内に突入して取り押さえたという。店長にけがはなかった。

 荒木容疑者は経緯について「約2週間前に長崎県の自宅を出て、都内で路上生活をしていた。生きている意味が見いだせず、死にたいと考えた。大きな事件を起こし、警察に捕まって死刑になればいいと思った」と説明。「どこの店でもよかったが、逮捕前に焼き肉が食べたかったので、そうしてから立てこもった」などと供述しているという。

 捜査1課によると、店長から8日午後9時ごろ、「客から『爆弾を起動した。警察に連絡しろ。騒ぐな』と記載されたメモを渡された」との110番があった。店の出入り口にはバリケードのように椅子が並べてあり、男が店長を人質に立てこもっていた。男は捜査員に「人生を終わらせてくれ。死刑にしてくれ」と話したという。

 捜査員らは店長を解放して外に出てくるよう説得を続け、9日午前0時ごろ、隙を見て店長を裏口から救出し、直後に店内に閃光(せんこう)弾を投げ入れて突入した。警視庁によると、荒木容疑者は手に牛刀(刃渡り約30センチ)を持ち、ポケットに果物ナイフを入れていた。箱状の物も三つ持っており、「見せかけの爆弾だ」と説明したという。店長と面識はなく、同庁が経緯を調べている。

 現場はJR代々木駅からすぐの場所で、近くには明治神宮新宿御苑がある。

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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