野崎智也、山本逸生
大阪府摂津市で新村桜利斗(おりと)ちゃん(3)が全身やけどで死亡し、母親の交際相手の松原拓海(たくみ)容疑者(24)が殺人容疑で逮捕された事件を受け、市や府児童相談所の対応を検証する府の有識者部会の初会合が6日開かれた。虐待が疑われる情報がありながら市が踏み込んだ対応をとらなかったことについて、「判断が甘かったのでは」との意見で一致したという。
府の児童虐待事例等点検・検証専門部会は元家庭裁判所調査官や精神科医、弁護士ら5人の構成で、元児相職員の才村純・東京通信大教授(児童福祉)が部会長に互選された。
議事は非公開。会合終了後の府の説明によると、府と摂津市の担当者が事件の経緯を説明した。
市と児相は2019年3月の時点で桜利斗ちゃんの母親について中度のネグレクト(育児放棄)と評価し、市が支援を続けてきた。松原容疑者が今年5月に同居を始めた後、母親の知人らが虐待を懸念する情報を市に寄せたが、市と児相は母子が在宅のまま支援する方針を変えなかった。
会合後に取材に応じた才村部会長は「市の判断が甘かったのではないかというのが委員の共通した意見だった」とした上で、「リスク評価や情報共有のあり方について、具体的に提言していきたい」と話した。会合は今後4回程度開き、来年1月に報告書をまとめる。(野崎智也、山本逸生)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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