「放送開始前、調整しようがなかった」専門家に聞く4K

 BSの4K放送をめぐり、一部の視聴者から「暗く見える」との指摘が出ています。放送局やメーカーは、こうした指摘が出る前に気づかなかったのでしょうか。今後、対策をとることはできるのでしょうか。テレビの画質や技術に詳しいAV評論家の折原一也さんに聞きました。

制作者はまじめに作っている

 ――4K放送が「暗く見える」と指摘されるのはなぜですか。

 放送局など映像制作者は、(4Kの映像信号である)HDRの編集をする際、世界中でほぼ同じ「マスターモニター」を使っています。輝度が1000nit(ニト=輝度を示す単位。1nitは1カンデラ毎平方メートル)あり、やや暗い環境で確認すると指定されています。制作者は正しくきれいな映像をまじめに作っているつもりでしょう。一方、日本で4K放送を見る視聴者の多くは、昼間は外光が差し込むような明るいリビングで見ています。制作者よりもずっと明るい環境で、しかもパネルの輝度が1000nitに満たない家庭用テレビが大半なのだから「暗く見える」のは当たり前なのです。

 ――放送局やメーカーは事前に気づかなかったのでしょうか。

 なんとなく気づいていたとは思…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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