【神奈川】五輪精神に反する女性蔑視発言が改めて、日本の男女格差に光を当てる中、女性の政治参加をテーマにした世界のポスター展が横浜市青葉区で開かれている。その中の1枚、フランスのポスターは言う。「政治は男のものではない」。衆院の任期満了が8カ月後に迫る今、国内の政治状況も見つめてみては。
会場に並ぶのは、元東京都議で女性政策研究家の三井マリ子さん(72)が集めた各国のポスターのうち10枚。三井さんによる解説も付いていてわかりやすい。
そのうち、比例代表制をとるノルウェーのポスターには、男女56人ずつによる会議の様子が描かれている。三井さんによると、メンバーには失業者2人、学生6人、移民13人、性的少数者6人、妊娠した女性1人が含まれ、解説の見出しは「これぞ民意の反映」。
一方、アフガニスタンのポスターには、20歳の時に女性人権団体「アフガニスタン女性革命協会」(RAWA)を設立し、10年後の1987年に暗殺された女性ミーナの旗を背に、拳を突き上げる女性たちの姿が。ミーナは、旧ソ連の介入とイスラム原理主義を命がけで批判した。彼女が作ったとされる詩の一節を、三井さんはこう訳した。
「隷従者の苦しみを解消するために 私は目覚めた女 私は歩む道を見つけた 後戻りのない道を」
この「叫ぶ芸術 ポスター展」は、女性会議県本部(横浜市中区)とNPO法人スペースナナ(青葉区)の共催。同県本部の芝崎麻紀子事務局次長は「日本のジェンダー平等の現状が国内外に知られた今、社会の空気を変えるのに少しでもつながれば」と話す。世界経済フォーラムによる2019年の「男女格差報告書」で、日本の順位は過去最低の121位だった。
ポスター展は22日までの午前11時~午後5時(22日は午後4時まで)、青葉区あざみ野1丁目のスペースナナで。入場無料。会場では、三井さんのポスターコレクションのカタログ(69点のポスターと解説付き)も販売している。問い合わせはスペースナナ(045・482・6717)へ。(茂木克信)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル