2019年の参院選広島選挙区をめぐる公職選挙法違反(買収)罪で有罪判決を受け、3日に議員辞職願を提出した河井案里被告(47)=自民党を離党=は同日、自らの事務所を通じてコメントを出した。全文は次の通り(表記は原文のまま)。
◇
各位
過日、東京地裁において、私に対する公職選挙法違反被告事件につき判決の言渡しがなされたことに対し、広島の有権者の皆様、多くの国民の皆様、その他関係者の皆様に多大な御迷惑と御心配をおかけいたしました。心からお詫び申し上げます。
このたび参議院議員の職を辞することとし、本日、参議院に議員辞職願を提出いたしました。また、私が被告として広島高等裁判所に提起されております当選無効及び立候補禁止の訴については、私自身の議員の身分に関わることであって、かつ、私の陣営で生じたことでございます。候補者として政治責任を取るべきと判断し、争うことはいたしません。
他方、私に対する公職選挙法違反被告事件の判決については、その内容には納得しかねます。金員で人の心を買うことはできない、というのは私の信念であり、これまでの政治生活のいずれの場合においても、有権者の皆さまを裏切るようなことは決していたしておりません。しかし、民信なくんば立たずという精神には、一点の曇りもない政治的信用性が求められるべきと承知しております。たとえ一審でもその信頼を回復できなかったことは政治家として情けなく、政治的責任を引き受けるべきと考えております。これ以上争いを長引かせ混乱を生じせしめることも私の本意ではなく、控訴申立てはいたしません。
当選無効の訴が出されているウグイス報酬の過払いにつきましては、国民の皆様に深くお詫びいたしますとともに、関係する運動員の皆様に大変なご迷惑をおかけいたしました。一方、私自身が幾多の選挙を経験してきたにも関わらず、運動員の皆様の報酬のあり方についてこれまで全く思い至ることが出来なかったことは、政治家として大変恥ずかしいことであり、深く反省するところでございます。皆様の処遇の改善については、長年務めた地方議員の立場からであっても、法律改正のための国に対する意見書を県議会においてとりまとめるなど、努力はできたはずでした。そうした努力を怠って参りましたことにつきましても、全国の各運動員や各選対スタッフの皆様方に、心からお詫び申し上げます。
私は先の参院選において私を応援してくださった方々や、ご投票頂いた皆様方のご期待にお応えすることができませんでした。皆様方には、せっかくかけて頂いたご期待と信頼を損なうこととなり、失望させてしまったことにお顔向けできません。本来であれば皆様方に私の口から直接にご説明を申し上げたく、またその義務を負うところでございます。しかしながら河井克行に対する公職選挙法違反被告事件が現在審理中であるため、現段階における詳しい御説明が叶いません。説明責任が求められていることは重々承知してございますし、大変心苦しく存じますが、現段階においてご説明出来ないことをご理解頂ますよう、誠に勝手ながらお願い申し上げます。
令和3年2月3日
河井あんり(これのみ自署)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル