未払い残業代や損害賠償の請求にかかる弁護士費用を立て替える新たなサービスを、弁護士らによるベンチャー企業「日本リーガルネットワーク」(東京)が19日から始めた。これまでの弁護士費用保険とは違ってトラブル発生後に契約でき、敗訴しても自己負担ゼロといい、「弁護士費用が支払えずに泣き寝入りするケースをなくしたい」としている。
同社によると、このサービスは英語の「After The Event(事後)」にちなんだ「ATE保証」(中小企業向け)と「アテラ」(個人向け)。同社はまず、利用者が依頼した弁護士に支払う着手金などに同社へのサービス利用料を加えた「保証金」の額を設定。同社が着手金を立て替え払いする。その後、裁判などで利用者が得た賠償金が保証金額を上回った場合、同社に同額を支払う。敗訴した場合利用者の負担はなく、賠償金が保証金を下回っても利用者が不足分を支払う必要はないという。
未払い残業代や交通事故による損害賠償の請求、中小企業の未回収債権の請求などが対象。ただし事前審査があり、客観的な証拠があるなど賠償金を得られる可能性が「相当程度あるもの」に限るという。
同社によると、英国やカナダなどでは事後加入の「ATE保険」と呼ばれる弁護士費用保険がある。同社によると、事後的な契約で弁護士費用を保証するサービスは日本初という。
同社CEOの南谷泰史弁護士(第二東京弁護士会)は「敗訴して弁護士費用だけを支払わなければならないといったリスクをゼロにできるサービス。泣き寝入りせずに問題解決がしやすくなる」。サービスの問い合わせは受付窓口(03・6661・6550)へ。(遠藤隆史)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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