「教団との関係知らしめたかった」殺人罪で起訴の山上容疑者供述

 安倍晋三元首相の銃撃事件で、奈良地検は13日、奈良市の無職山上徹也容疑者(42)を殺人と銃刀法違反(発射、加重所持)の罪で起訴し、発表した。約5カ月半の鑑定留置を踏まえ、心神喪失などの状態にはなく刑事責任能力を問えると判断した。裁判員裁判で審理される見通し。

 起訴状などによると、山上容疑者は昨年7月8日午前11時半ごろ、奈良市の近鉄大和西大寺駅前で、参院選の応援演説をしていた安倍氏の背後から手製のパイプ銃を至近距離から2回発砲し、殺害したとされる。

 捜査関係者によると、山上容疑者は、宗教法人「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」に入信した母が多額の献金をしたことで破産し、生活が困窮したと説明。教団を恨み、「教団と深い関わりのある安倍氏を撃った」と供述しているという。

 県警は今後、山上容疑者の自宅で見つかった手製銃や火薬類についても、銃刀法違反や武器等製造法違反(無許可製造)、火薬類取締法違反(無許可製造)の疑いで追送検する方針。事件前日に奈良市内の教団関連施設が入った建物を銃撃したとする建造物損壊容疑でも追送検するという。

 今後、裁判官と検察官、弁護人で争点を絞り込む公判前整理手続きを経て、裁判員裁判で審理が始まるとみられる。山上容疑者は殺人容疑を認めているといい、量刑が主な焦点になりそうだ。山上容疑者の弁護団は「職責として、引き続き(容疑者の)権利利益の擁護に努める」などとする談話を発表した。

 事件を機に、教団側と政治家の接点が次々に判明。教団をめぐる高額献金の実態や、信者の親を持つ「宗教2世」の窮状にも注目が集まり、悪質な寄付の勧誘などを規制する不当寄付勧誘防止法(被害者救済新法)が昨年末の臨時国会で成立、5日施行された。

教団関連施設への銃撃は「動機を示すため」

 安倍晋三元首相の銃撃事件で…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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