文部科学省が3月、教員の魅力を高めようとSNSで始めた「#教師のバトン」プロジェクトに対し、教育現場から多くの批判が起きた。現役教員4人が21日、これらの声を集めた本物のバトンを「教師からのバトン」として同省職員に手渡し、「的外れな施策ではなく、多忙化の実態を直視してほしい」と訴えた。
4人は愛知、静岡、三重で小中学、高校、特別支援学校の教員を務める30~40代の男性。21日午前、東京・永田町の衆院議員会館で、長さ約30センチ、直径約3センチの赤、青、黄、緑色のバトン4本を文科省の担当者に手渡した。バトンには、「健康も家庭も犠牲にしてきましたが、もう限界」、「人員を増やすか、残業代を下さい」などと、「#教師のバトン」に対してわき上がった教員の窮状を訴える声が書かれている。
発案した愛知県一宮市の小学校教諭、加藤豊裕(あつひろ)さん(42)は「子どもの成長に携わる教師の仕事は言われなくても十分魅力がある。文科省がすべきは、教員がそう思えなくなっている多忙化の現実を変えることだ」と話す。
「教員の自助努力だけでは限界」
同プロジェクトを知った時、加藤さんは「炎上する」と直感したという。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル