伊藤和行
コロナ禍で学校現場での教育実習の受け入れが難しい状態が続いているため、文部科学省は、今年度も大学の授業などを代わりの単位として認める特例措置をとることを決めた。実習を行うことを原則とするが、「真にやむを得ない場合」に限り、実習なしでも教員免許の取得を認める。
教育実習は、教員を目指す学生が幼稚園や小中高校で実際の授業などを体験する。昨年度、コロナ下の学習遅れへの対応などで実習生の受け入れが難しいとの声が各地の教育委員会から上がり、特例措置が設けられた。大学での模擬授業などで代替できるとし、実際に学校での実習を行わなかった大学もあるという。コロナ禍の終息がみえないため、今年度も特例を延長する。
一方、文科省は小中学校の教員免許取得に必要な「介護等体験」について受け入れ対象施設を広げ、ハンセン病療養所や被爆者の支援事業所などを追加した。これまで特別支援学校や社会福祉施設などで行ってきたが、学生の体験の多様化を図る。外国人や不登校の児童生徒のための授業を行う学校も含める。文科省は「学生の体験の充実が目的で、受け入れ施設の合意が前提となる」としている。(伊藤和行)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル