森下裕介、新谷千布美
難民認定を求めて日本に渡った中国人の男性(当時67)が2018年、出入国在留管理(入管)庁の収容施設内で亡くなった。男性の娘(41)は「体調が悪化していたのに適切な医療を受けさせなかった」として、損害賠償を求めて国を提訴した。入管施設では今年3月にもスリランカ人女性が亡くなっており、娘は「国は父の死から何も教訓を得ていない」と話す。
訴状などによると、訴えたのは、中国・広州出身の盧麗鏵さん。父の永徳さんとともに、中国政府が認めていないキリスト教系の宗教の信者だった。仲間の家で祈りを捧げていると警察に妨げられ、聖書や椅子、テーブルなどを押収されたと主張。麗鏵さんも拘束されたり、信仰について尋問を受けたりしたという。
麗鏵さんらによると、2人は18年秋、中国政府の「宗教上の迫害」から逃れるため、難民認定を求め、渡日することを決めた。広州から飛行機で上海へ行き、10月15日に船で長崎に到着。福岡入管に移送、収容された。
永徳さんは、数年前から糖尿…
この記事は会員記事です。無料会員になると月5本までお読みいただけます。
残り:718文字/全文:1148文字
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル