「敵国の文字」と消されたY校 92歳が語る戦争にむしばまれた日常

 気がつけば日常はゆっくりとむしばまれていた。

 横浜市南区の箕輪京四郎さん(92)は11日、横浜市内で開かれた「戦争体験を語り継ぐつどい」で初めて自らの体験を語った。

 戦争とともにあった青春時代。その体験を伝える使命があると考えたきっかけがあった。

 1930年に京都で生まれた。横浜で町工場をはじめた父とともに家族で西区久保町に転入した。日中戦争が始まってはいたものの、トンボを追いかける普通の楽しい日々を送っていた。

制服はカーキ色、学校では軍事教練

 いまでも「Y校」と呼ばれる横浜商業学校(現・横浜市立横浜商業高校)に入学したのは43年のことだ。この年から制服が黒からカーキ色に変わり、帽子は戦闘帽になった。

 ある日、校章の「Y」の字を「横商」に変更すると先生たちから説明があった。アルファベットは敵国の文字だからだという。

 「Y」の字はY校生のお気に…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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