《はっきりと言葉で断れる》
自分ではそう思っていた。
関東地方に住む中学3年の少女(15)は昨春、休みの日につきあっていた同級生の彼の家に遊びに行った。
外で会っていると、すぐに友人たちに見つかり、冷やかされてしまう。
人の目を気にせず、二人っきりでゆっくり話したかった。それだけだった。
午前11時ごろ。彼の家にいくと、彼の家族は出かけていて家にはいなかった。
彼の部屋で話をしていると、話題が途切れた。
ちょっと気まずい雰囲気になった。
「しない?」
そう言われ、ぎょっとした。
《えっ? まだ中学生なのに?》
性交するならば避妊具をした方がいいことは知っていた。でも、自分の年齢で責任のとれることではない。学校で受けた性教育の講演でも「断る」大切さを聞いていた。
《ダメだよ》と思ったが、言葉が出てこなかった。
子どもたちの心身とその後の人生を脅かす性暴力について考える企画「子どもへの性暴力」第6部は、子どもたちの間で起こる性暴力について取り上げます。
彼はお構いなしに「いいだろ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル