日産自動車の元会長カルロス・ゴーン被告(66)が巨額の役員報酬を開示しなかったとされる事件で、検察側が、志賀俊之・元COO(最高執行責任者)や小枝至・元相談役らも報酬隠しとされる仕組みを提案していたと公判で主張することがわかった。
志賀氏「私は違法行為に加担していない」
東京地検特捜部は、同じく仕組みを考案したとみる元代表取締役グレッグ・ケリー被告(63)を起訴したが、志賀氏らは報酬隠しの実行行為には関わっていないとして刑事訴追を見送ったとみられる。
志賀氏は7日、朝日新聞の取材に「公判審議を尊重する立場からコメントは差し控えざるをえない。お尋ねの点は関係当局にも説明しており、言うまでもなく私は違法行為に加担していない」と答えた。日産は「コメントは差し控える」とした。
ゴーン元会長とケリー元役員は2018年11月に金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕された。ゴーン元会長が裁判を受けないまま19年末に海外に逃亡した一方、ケリー元役員と、法人として起訴された日産の初公判が東京地裁で15日に開かれる。元役員は無罪を主張し、日産は起訴内容を認める方針だ。
起訴内容は、ゴーン元会長の10~17年度の「総報酬」が計約170億円だったのに、「既払い」の約79億円だけを報告書に記載し、「未払い」の約91億円を隠したというもの。
地検が公判で立証を予定する内…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル