<記者コラム>
「早くしないか。こっちは急いでんだよ」。通勤バスの中、突然、怒鳴り声が響いた。2、3分はそうしているだろうか。料金箱の前にはバッグを広げ、財布を探すおばあちゃん。心ない怒鳴り声はさらに続いた。「何分待たせるんだ。お金がないなら、俺が払ってやろうか」
収まる気配もなく、見かねて後ろから「やかましい」と一喝した。振り返ったのは、70歳を超えようかという高齢男性。当然、怒りの矛先はこちらへ。「田舎者のくせに何だ」「俺はけんかが強いんだ」。聞くに堪えない雑言が続く。引くに引けず「暴走老人」をやり込めるのに10分余り。
高齢者相手に、さすがに大人げなかったかと反省しつつも、バスを降りる際、運転手さんに「ありがとうございました」と、声を掛けられたのが唯一の救い。事の次第を妻に話したところ、「怒りすぎ、あなたも予備軍じゃないの」の一言に、うなだれるしかなかった。
西日本新聞社
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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