早朝に川から水があふれ、救助を求める住民の119番通報が殺到した。7月4日、記録的な豪雨で球磨川や支流が氾濫(はんらん)した熊本県南部。人吉下球磨消防組合(人吉市)には、通常の1カ月分になる少なくとも375件の通報があり、対応能力を超えた。あの日、何が起きたのか。公表された通報記録からたどる。
深夜に鳴ったスマホ、全職員を招集
日付が4日に変わった頃、人吉市の自宅にいた内谷順喜(じゅんき)消防次長のスマホが鳴った。「(球磨川支流の)胸川が増水。どうしますか」。消防本部の当直員が伝えた。球磨川の水位を確認すると約1・2メートル。異常はなかったが、内谷次長は本部に向かった。胸川の増水のペースが速く、危険を感じたからだ。
消防本部に大災害の予兆となる一報が来たのは午前2時9分。「水が流れて(裏山が)崩れてきている」。人吉市の東隣、錦町の住民からだった。
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その後、西隣の球磨村からの通報が続いた。「家の方に泥が流れている」「(国道)219号線が土砂崩れ」。当直員が次々に出動。本部は約100人の全職員に招集をかけた。
午前4時50分、気象庁は数十年に一度の重大な災害が予想される「大雨特別警報」を出した。午前5時を過ぎると「水が家の中に入ってきている。避難している人が数名いて、連絡が取れない」など、家屋への浸水を知らせる通報が数分から十数分おきに入るようになった。
「親子が水の中に」「救助まだ?」 通報1分おきに
国土交通省などは午前5時55…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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