新型コロナウイルス対応の緊急事態宣言が、10都府県で延長されることになった。対象地域で唯一、宣言解除が決まった栃木県でも、不安はぬぐいきれない。
「宣言が解除されても客足がすぐ元に戻るわけじゃない。どう受け止めていいのか」。宇都宮市の居酒屋「陣谷」代表の笹谷光正さん(54)は困惑ぎみだ。年末からの売り上げは例年の1、2割程度。昼食時も外食を控える企業が増え、客足は減る一方だという。時短に協力した店への協力金が解除後にはなくなってしまうのか心配だ。「早く方針を示してほしい」
一方、人気ギョーザ店が集まる「来らっせ本店」を運営する宇都宮餃子会の鈴木章弘事務局長(48)は「栃木だけが解除されると『栃木は安全』というメッセージを伝えかねない。関東圏から人が集まってくると『Go To』の二の舞いになってしまうのではないか」と懸念した。
那須塩原市の塩原温泉街では、2日もほぼ人が歩いていなかった。観光関係者は「例年なら泊まりがけのスキー客でにぎわう時期。これだけ人がいないのは初めて」。塩原温泉旅館協同組合の田中三郎理事長によると、大半の宿泊施設は週末だけの営業にしているという。「栃木が解除になっても、首都圏で宣言が続けば、宿泊客増にはつながらないだろう」ともらした。
佐野駅前で佐野ラーメン店を営む五箇大也さんは「最近はサラリーマンやお年寄りの客をあまり見かけない。解除された後も人の流れは変わらないと思う。これからの方が経営が大変になる店が多いのではないか」と語った。
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
Leave a Comment