岐阜市内で昨年3月、路上生活をしていた渡辺哲哉さん(当時81)が襲われ死亡した事件で、傷害致死罪に問われた当時19歳の元少年2人の裁判員裁判が11日、岐阜地裁で始まる。渡辺さんと共に路上生活をしていた友人の女性(69)は「なぜ渡辺さんは死ななければいけなかったのか、少年たちには自分の言葉で語って欲しい」と話す。
「あのたった何分、何秒の間に一体何があったのか」。事件後、生活保護を受けアパートで暮らすようになった女性は、1年経った今でも、当時のことを鮮明に思い出す。
事件現場となった長良川にかかる河渡橋の下で、20年ほど前から渡辺さんと暮らしてきた。あの日、寝ていると突然、石を投げつけられた。2人で逃げたが、少年たちは執拗(しつよう)に追いかけてきた。「早く行け! 早く行け!」。女性を逃がそうとする渡辺さんの声が今も耳に残っている。
起訴状などによると、傷害致死罪で起訴された2人は、現場から約1キロにわたって追いかけながら石などを投げつける暴行を加え、土の塊が渡辺さんの顔に命中。渡辺さんは転倒して後頭部を路面に打ち付け、死亡したとされる。
渡辺さんに教えられたことは多…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル