死刑の執行を2日前に告知され、実際に執行されるまでの死刑囚の肉声が録音されたテープ。死刑にかかわった経験がある識者に聞いてもらい、感想や考えを語ってもらった。
弁護士 野口善国さん
私が刑務官だった時も、前日には拘置所長が告知していた。(テープを聴いて)当時の風景が浮かんだ。親族との面会の様子にしても、執行の流れにしても。
経験と違うところをあえて言うなら、職員が非常に親切に死刑確定者に接しているということぐらいだろうか。「遠慮なく、何でも言って」とか「最後ですから(死刑囚の手を)しっかり握ってやってください」とか。
ここまで温かくやれていたかどうか。どんなことをした人でも、できる限り人間的にしてあげようという配慮が伝わってきた。「心情の安定」のためには、重要なことなのではないか。
私が執行に立ち会ったのは1971年末か年明けの頃。所長が告知した相手は、強盗殺人罪に問われた男だった。「明日死ぬ」となって動揺が周囲に伝わってはいけないので、ほかに収容者がいないフロアに移ってもらい、屈強な警備隊員で24時間監視していた。
「最後のお願い、いいですか」 握手した彼
妻とおじが電報を受けてすぐ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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