「映っている犯人は自分」供述は「信用性に疑問」神戸地裁が無罪判決

黒田早織

 コンビニでTシャツを盗んだとして常習累犯窃盗罪に問われた男性被告(47)に対する判決公判が8日、神戸地裁であった。入子光臣裁判官は「犯人だと認定するには合理的な疑いが残る」などとして無罪(求刑懲役3年)を言い渡した。

 男性は常習的に窃盗を繰り返し、2021年9月、神戸市灘区ローソンでTシャツ4点(計1万1880円相当)を盗んだとして起訴された。弁護側は無罪を主張していた。

 判決では、店の防犯カメラ映像中の犯人と、当時の男性の靴や所持品について「スニーカーは同品名の可能性が高いが希少とは言えず、財布は黄色系であることが類似しているだけ」などと指摘。男性が犯人だとは認定できない、とした。

 男性は公判で、防犯カメラに映る犯人は「自分だと思う」と供述したが、その理由は「服装や所持品が似ているから」とし、「事件のことや事件当日にこの店に行ったかは覚えていない」「自分はこの犯人のような盗み方はしないから自分は盗んでいないだろうと思った」などと述べた。

 判決は「映像との類似性から、実際は別人なのに犯人は自分だと誤信した疑いをぬぐえず、供述の信用性にも疑問がある」と判断し、無罪を言い渡した。

 神戸地検は「判決内容を十分に検討して適切に対処したい」とコメントした。(黒田早織)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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