5日午後2時42分ごろ、石川県能登地方を震源とする地震があり、震度6強を観測した同県珠洲市では大きな揺れを感じたとの声が相次いだ。
珠洲市正院町正院で「村元酒店」を営む村元優文さん(85)は、居間でテレビを見ているときに揺れ始めた。「ひどい横揺れや、下からどんと突き上げるような揺れが続き、とても長く感じ、人生で一番大きい地震だった」と振り返る。昨年6月の地震よりも大きく、長い揺れを感じたという。
店舗の方からガチャガチャと大きな音がしたので見に行くと、棚の日本酒のビンが10本近く割れていた。自宅の食器棚も倒れ、「近くにいたら危なかった」と話した。
珠洲市で民宿を経営している女性(68)は自宅でテレビを見ていたところ地震が起こった。「最初は小さな揺れだったが、ドスンと大きな揺れに変わった。家が古いので、壊れてしまうのではないかと怖かった」と話した。
珠洲市観光交流課の男性職員(51)は「(震度6弱を観測した)昨年6月の前回地震より揺れが激しく長かった。立っていられないほどで、物が落ちてきた。観光施設などに被害がないか情報を収集している」と話した。
珠洲消防署によると、珠洲市内で2棟の建物が倒壊したとの情報が入っているといい、被害の状況について調査を進めている。人的被害についても「調査中」としている。
珠洲市総務課の男性職員は「5秒から7秒程度の大きな地鳴りの後、30秒程度の横揺れがあった。被害状況はわかっていない」と話した。珠洲署の当直担当者も「長い横揺れがあった。被害状況は現在調査中」と話した。
近隣の自治体でも大きな揺れを感じたとの声が相次いだ。能登町役場総務課の男性職員(32)は「休日で自宅にいたらいきなり強い横揺れが襲ってきた。緊急地震速報とほぼ同時に感じられた。役場に向かう途中では大きな被害は見受けられなかった」と話した。(井石栄司、丘文奈)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル