大分県豊後高田市の観光地「昭和の町」。レトロ感漂う50店以上の商店や飲食店が並ぶ商店街で、中杉治(おさむ)さん(63)は壺(つぼ)で焼いたサツマイモやスイートポテトを売っている。部長職だった印刷会社を早期退職し、2016年に大阪府から妻(57)と移住してきた。
移住専門誌「田舎暮らしの本」の「住みたい田舎」ランキングで、豊後高田市は全国で唯一、9年連続ベスト3に入る人気移住地。高校生までの医療費や中学生までの給食費が無料ということもあり、昨年度までの10年間の移住者は、人口の1割強にあたる2469人(1165世帯)にのぼる。
「大変だなぁ」。中杉さんは、商店街の移住仲間と会うたびに言い合う。19年度に約1600台来た観光バスは、コロナ禍の昨年度は約150台に激減。店の売り上げは例年の3分の1ほどに落ちた。年間50回程度あった週末のイベントへの出店もなくなった。「減収は今年のほうがひどい。『新商品を出せば』と言う人もいるが、来てくれる人がいなければ売れない」
コロナ禍で都会から地方に移…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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