村上友里
新型コロナウイルス対応の改正特別措置法に基づく営業時間の短縮命令は「営業の自由を保障した憲法に違反する」などとして、飲食チェーン「グローバルダイニング」(東京)が東京都に賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が21日、東京地裁であった。都側は違憲ではないとした上で「要請や命令は感染拡大の抑止や医療ひっぱく回避のため十分に必要だ」と反論し、請求の棄却を求めた。
都は3月18日、営業を午後8時までとする要請に応じなかった27店に全国で初めて時短命令を出した。このうち26店が同社が経営する店舗だった。
都側は答弁書で、近隣に食料品店がなく住民の生活維持が困難になったり、コロナの重要な研究会を開催したりするなど通常営業を続ける正当な理由が同社側になかったとした。
命令を受ける前に要請に応じない旨をネット発信したことで「狙い撃ちにされた」とする同社側の主張については、「影響力が大きい上場企業が協力しないと積極的に公表することは、他業者の不協力を助長する」と指摘。「要請や命令には合理性があり適法だ」と訴えた。
同社の長谷川耕造社長はこの日の法廷で、コロナ禍による借り入れなどで20億円の負債を抱えたとし、「納得のできない理不尽な命令によって、経営が脅かされることは絶対あってはならない」と述べた。原告側弁護士は、今回の時短要請について「飲食業を狙いうちにした事実上の休業要請だ」と陳述した。
原告側は賠償請求が主目的の提訴でないとし、請求額は104円としている。(村上友里)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル