学校のある平日、関東地方の公立中学校の30代女性教諭の一日は午前3時半に始まる。
外はまだ真っ暗。子どもたちを起こさないよう、2階の寝床を抜け出す。
1階リビングの机に向かい、英語の教科書をめくる。この日にある授業の準備に1時間ほどを費やす。
5時ごろから洗濯、夕飯の下準備、掃除。6時に子供を起こし、7時前に家を出て保育園へ。
昨年6月、3人目が生まれて産休に入るまで、そんな慌ただしい朝を過ごしていた。
両親は遠方に住み、夫は会社員で朝早く帰りは遅い。仕事があるときでも、「ワンオペ育児」にならざるを得ない。
夕方、午後6時半の保育園のお迎えに向け、校舎を飛び出す。夕飯と風呂を済ませ、9時ごろに子どもと一緒に寝床に入る。
産休前、常に「こんな生活は続けられない」と感じてきた。
いま、「復帰して働く自信が持てない」と言う。
心が揺れるのは、忙殺されてきた日々への不安だけが理由ではない。
子育てのための時短勤務制度を使ったのに、実際には早く帰れない。
そんな理不尽な職場への不満が、今も消化できずにいるのだ。
育休から復帰するとき、退勤を90分早められる制度を申請した女性。しかし、時短とはいえない、過酷な勤務を余儀なくされます。
「学級担任だけは無理です」…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル