合格率1%以下で「国内最難関試験」と言われる剣道の8段審査に、埼玉県警幸手署の小林憲司巡査部長(59)が合格した。8段に達するのは、強豪の高校か大学を出て、都道府県警の師範候補として日常的に稽古をする特別訓練員(特練)のOBが多いが、小林さんは「普通の警察官」。稽古の機会は市民と変わらず、拠点は地域の剣道クラブだ。8段合格は偉業で、多くの市民剣士が沸いた。
北海道天塩町出身。剣道は小学1年で地元のスポーツ少年団に入り、始めた。東海大四高(現・東海大札幌)や東海大でも続けたが、地元のスポーツ関連会社への就職を機にやめた。
古くから警察官に憧れており、埼玉県警に入ったのは26歳だった1989年。警察学校では柔道か剣道の稽古が必須で、剣道を再開した。仕事の一環で、積極的なものではなかった。学生時代に華々しい実績を残したわけでもなく、厳しい稽古がずっと嫌だった。
ただ、仕事の合間に稽古を続け、昇段審査への挑戦を続けた。何度も落ちたが、決してめげなかった。
背景にあったのは、剣道をや…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル