「暗い時代に勇気くれた」ヒロシマ賞のジャーさん、22日から記念展

菅野みゆき

 現代美術の分野で平和に貢献した作家に贈られる第11回「ヒロシマ賞」(広島市など主催、朝日新聞社共催)の授賞式が21日、広島市南区の市現代美術館であった。受賞者で、チリ出身の現代美術作家アルフレド・ジャーさん(67)に、賞状と賞金500万円が贈られた。22日から10月15日まで同館で受賞記念展が開かれる。

 ジャーさんは、ルワンダで起きた大虐殺や、東日本大震災原爆投下など、社会問題をテーマにしたインスタレーション(空間芸術)で知られる。受賞は2018年の発表。記念展が20年夏に予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響などで延期になっていた。

 この日の授賞式でジャーさんは「ウクライナとロシアが戦い、無責任な声が核兵器の使用を求めている中で広島は光だ」と述べた。受賞について「この暗い時代に私に力と勇気をくれた」と話した。

 ヒロシマ賞は、平和を願う「ヒロシマの心」を現代美術を通して世界にアピールすることが目的で、広島市が1989年に創設。授賞は3年に1度で、過去には三宅一生さんやオノ・ヨーコさんも受賞している。(菅野みゆき)

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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