太平洋戦争で日米の激戦地となった南洋パラオ・ペリリュー島からの「最後の生還者」と呼ばれた元軍曹(98)が先月亡くなった。忌まわしい体験に晩年近くまで口は重く、不眠にも悩まされていた。それでも今夏、貫通創が残る体から言葉を絞り出していた。「戦争には絶対反対」。12月8日の開戦から78年。戦場体験を語れる人が年々減っている。
茨城県茨城町の永井敬司さん。11月4日、大腸がんで亡くなった。
8月下旬、戦争体験の聞き取りをする永井さんの戦友の孫娘(41)と自宅を訪れた。「昔のことを聞かれると、夜眠れなくなる」とこぼしながら、当時のことを語ってくれた。目の前に死体の山が築かれ、負傷で苦しみながら、「殺してくれ」と叫ぶ戦友。島の緑が消えるほどの艦砲射撃、夜空に放たれた照明弾のまぶしさ……。話は約1時間半にわたった。
1940年。永井さんは18歳…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル
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