新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためとして、突然降ってきた国からの「全国一律休校」の要請。卒業式などを控えた大事な時期だけに、学校現場では28日朝、戸惑いの声が渦巻いた。政府の要請とは異なる対応を取る自治体も相次いでいる。
東京都世田谷区立桜丘中学校では、午前7時前から、3年生の一部の生徒たちが校庭に集まり、サッカーやバレーボールなどを楽しんだ。「休校要請」のニュースを知り、前夜からSNSで「明日が最後になるかもしれないから朝から遊ぼう」と呼びかけていた。
休校をどう思う? 記者の質問に、生徒たちは「急すぎるし、悲しい」「教室でもいいから卒業式だけはやりたい」と答えた。
政府の唐突な要請に対して、男性教諭(30)は「多くの子が高校入試を終え、お楽しみ会や合唱コンクールなどが目白押しの時期なのにほとんど中止になった。昨夜は担任した親子と電話で話し、号泣してしまいました」と打ち明けた。
教職員の打ち合わせでは荷物はできるだけ持ち帰らせることなどを確認した。特別支援学級ではショックを受けた生徒もいるため急きょ、28日に「お別れ会」を行うことに。一方、子どものいる教職員の公休消化など働き方の工夫も進めることにした。
3年のホームルームでは、社会科の教諭が「首相からの休校要請はあったが、首相に命令権限はない。決定権は市区町村にあるので、我々はその結果を待つしかない。今日は、大事な1日を一緒に過ごそう」と呼びかけた。
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル