「最後の1柱までは難しい、でも…」 南方で遺骨収集、重ねた36回

 手のひらに置いた石を、母はぎゅっと握りしめた。

 何も言わなかった。

 ただ、うんうんとうなずき、涙を流していた。

 「これが遺骨だったら、どんなに良かったか」。もう20年以上前のできごとを、神奈川県遺族会会長の森本浩吉さん(81)=横浜市=は、そんな風に思い返す。

 森本さんは、それから毎年のようにパプアニューギニアを訪れている。

 父が戦死した場所だ。

 父利雄さんは戦前、朝鮮半島…

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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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