不登校新聞によると、不登校になる子供の割合は、5年間で急激に上昇している。「学校に行きたくない」と不登校になった子供たちは、将来どのような大人になるのだろうか。
ピースボート・グローバルスクールコーディネーターで、一般社団法人ひきこもりUX会議の代表理事を務める恩田夏絵さんは、小学2年生のときに学校教育に疑問を持ち、不登校になった。
当時、ファッションデザイナーになりたいという夢があった恩田さん。学校でなんのためになるか分からない勉強をするよりも、絵を描いたり自分のセンスを磨いたりする勉強をしたいと感じ、不登校の道を選んだ。その後も、学校に行ったり、行かなかったりを繰り返す「五月雨登校」を続け、義務教育は半分くらいしか受けていないという。
恩田さんには10歳と9歳上のヤンキーの姉がいた。非行に走った姉が警察に呼び出されることもあったため、親は恩田さんの不登校に関しても寛容に受け入れた。「子供は親の言う通りには育たないってよく分かっていた。私が学校に行かないって言ったときも、いいよって言ってくれた」と話す恩田さん。
学校に行かなくても許される理由を探して……毎朝「起きたら死んでいないかな」って思っていた
ライターで不登校サポートナビ、通信高校ナビに執筆をしている北澤愛子さんも、中学時代にいじめを経験。「学校に行けなくなるのは弱いことだ」と思い、つらい中でも登校を続けていた。しかし、毎朝「起きたら死んでいないかな」「災害が起きないかな」「身内に不幸がないかな」などと考え、学校に行かなくても許される理由を求めていた。
恩田さんによると、北澤さんのように学校に行っているが、ほぼ毎日「学校に行きたくない」と感じている『仮面不登校』は44万人にも上るという。また、2018年の文部科学省のデータでは、不登校の原因の1位は不安、ついで2位が無気力、3位が学校の人間関係(いじめなど)になっている。
「先生と合わない、学力が追いつかなくて辛い。いろいろな理由がある。誰が無気力にしているかというと、学校側だったりする」と話す北澤さん。恩田さんは「高校から学校に行けなくなる優等生タイプの子も多い。それまで勉強や運動も頑張ってきて、親も期待していたのが限界になる」と説明した。
実際に不登校になり、学校に通わなかったことで、大人になってから後悔をしたり、負い目を感じたりすることはあるのだろうか。恩田さんは「青春時代を過ごしていないことへのモヤモヤのほうが大きく残る」といい、周りから修学旅行や、卒業式の話を聞くと複雑な気持ちになるという。しかし、学力面では「高校は定時制で通っていた。本を読んでいたこと、ゲームで漢字や歴史を学ぶことができた。学力の負い目はほとんどない」と語った。
(『Wの悲喜劇~日本一過激なオンナのニュース~』より/AbemaNews)
【関連記事】
Source : 国内 – Yahoo!ニュース
Leave a Comment