文部科学相の諮問機関、中央教育審議会の特別部会が28日、教員の働き方の改善に向けて国などが直ちに取り組むべき施策をまとめた「緊急提言」を出した。これを受け、同日、現役教員らが記者会見し、「期待していたものではない」などと批判した。
記者会見を開いたのは、公立学校教員に残業代を支払わないと定めた「教員給与特措法」(給特法)の抜本改善を求める「給特法のこれからを考える有志の会」の呼びかけ人や賛同人ら。
岐阜県立高校教諭の西村祐二さんは、緊急提言が教員業務支援員や副校長マネジメント支援員の配置など、予算が必要な対策を盛り込んだ点について「お金をつけようとしているのは評価できる」とした。一方、2019年度に中教審が出した緊急提言のような、タイムカードの導入など学校がすぐに取り組めるような提案がなかったとして、「希望が持てるものではない」と評した。
中教審が4年前に打ち出した、教員の業務を「学校以外が担うべき業務」「学校の業務だが、必ずしも教師が担う必要のない業務」などに分けて外部化を進める「3分類」の徹底を提言が求めたことについては、「奨学金の窓口業務やPTA会費の徴収など、教員がやらなくてもいい業務がまだ山ほどある」と指摘した。
4年間、進まなかった3分類 「行政の怠慢」
労働問題に詳しい嶋崎量(ちから)弁護士は、4年前に中教審が示した3分類で「学校以外が担う」とされた「学校徴収金の管理・徴収」について、教員が関与しない方法で行う自治体が22年度の文科省調査で36・5%にとどまったことをあげ、「4年以上たってもできないのは行政の怠慢。緊急提言はこの反省から入るべきだった」と批判した。「労働法的な労働時間抑制が必要だ」として、給特法を改正して残業代を支払うよう求めた。
緊急提言は、学習指導要領で…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル