長崎・五島列島をなす島のひとつ、福江島。集落の小道で、大木が四方に枝を伸ばす。種子がほかの木の上で発芽すると、そこから根を伸ばしていくクワ科のアコウの木だ。
「バキッ!」
昨年12月、米国出身の英語教師、ニコラス・サットンさん(38)が英語教室から帰宅途中、その木の方から大きな音が響く。角を曲がると、ショベルカーで太い枝をへし折っていた。
「どこまで切るんですか」。工事業者に聞くと、県外に住む木の持ち主が伐採を決め、そばの古民家も壊して更地にするという。
「何とかするから、切るのは待ってください!」
何の計画もないまま、ニコラ…
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル