今回の地震が起きた日本海の東縁部は、岩盤が東西から押されてひずみが集中している場所だ。北海道から新潟県の沖合にかけてマグニチュード(M)7級以上の地震が多発することで知られ、近年は津波で多くの犠牲者が出た平成5年の北海道南西沖地震(M7・8)、19年の新潟県中越沖地震(M6・8)などが起きていた。
東北大の遠田晋次教授(地震地質学)によると、東北地方を載せた北米プレート(岩板)は、東から沈み込む太平洋プレートによって西へ押されている。東北地方は日本海の東縁部で大陸側のユーラシアプレートに衝突するため、付近では岩盤が東西に押される力が働く。今回の地震も東西に圧縮されて起きる逆断層型だった。
周辺の海底には無数の断層があり、政府の地震調査委員会は19日、「海底下にある未知の断層が動いた」との見解を示した。断層は長さ約20キロで、深さ10~20キロほどの範囲で最大約90センチずれ動いたとみられる。
震源の周辺には活断層に加え、将来地震を起こす可能性がある「粟島(あわしま)隆起帯」と呼ばれる海底地形も確認されている。専門家の間では活断層が動いた可能性も指摘されたが、会見した平田直委員長は「震源が深いので、これらが具体的に活動して地震が起きた証拠はない」と話した。
今回のすぐ近くで起きた昭和39年の新潟地震(M7・5)との関連については「データが古いため精度が悪く、必ずしも明確な判断ができない」とした。
海底断層は津波を起こしやすい。遠田氏は「周辺に密集している活断層の活動に影響するかもしれない。今後も強い地震に注意が必要だ」と警鐘を鳴らす。
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Source : 国内 – Yahoo!ニュース
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