「未稼働案件」でも失効は実質免除 守られた高額な電力買い取り価格

 東シナ海に浮かぶ長崎県佐世保市の離島、宇久島。港を望む高台にある妙蓮寺の本堂で、住職の佐々木浄栄さん(44)が書類の山を見せてくれた。NPO「宇久島の生活を守る会」の代表だ。島の約4分の1を占める国内最大のメガソーラー計画に地元の声を反映させようとしている。国や長崎県、佐世保市などに行政文書の開示請求を重ね、事業の経緯を調べてきた。

 話は10年前にさかのぼる。

 2012年7月、再生可能エネルギー固定価格買い取り制度(FIT)がスタートした。前年の東京電力福島第一原発事故を受けて原発が相次いで停止し、太陽光を中心とした再エネへの期待がふくらんでいた。メガソーラーを含む事業用太陽光の最初の買い取り価格は「1キロワット時あたり40円」。国際的にもかなり高かった。

 出力約48万キロワットのメガソーラーを宇久島に設置するというFITの認定は、ドイツに本拠を置くフォトボルト・デベロップメント・パートナーズの事業会社が13年3月27日に取得したものだ。買い取り価格は年度ごとに変わるため、40円が適用される年度末ギリギリの日付だった。

 FITは、再エネの集中的な…

Source : 社会 – 朝日新聞デジタル

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